創志学園を支えたキャッチャーの軌跡
さぁ、プロ野球のキャンプ情報華やかな2月。
無駄にワクワクしちゃいますねっ!😙
昨年のドラフト会議で入団した1年生選手たちには、このキャンプが謂わば仕事初め。
怪我なく、力をつけて行ってくれますように❗️
さてこの時期、大学野球界でも新1年生が動き始めます。
今宵はその新1年生になる、藤原 駿也君のおはなし。
藤原 駿也君は岡山のご出身。
岡山ボーイズから創志学園に進み、1年生の夏、2年生の春、3年生の夏と、キャッチャーとして、3度甲子園の土をふみました。
彼が進んだ創志学園の前身は女子校のベル学園。
2010年に共学の創志学園となり、同時に野球部が発足しました。
2011年の春、創部2年目に21世紀枠で選抜大会に出場。
東日本大地震直後のこの大会で、創志学園の野本主将によって行われた選手宣誓は、記憶に残されていらっしゃる方も多くていらっしゃるのではないでしょうか。
宣誓
私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました。
今、東日本大震災で多くの尊い命が奪われ、
私たちの心は悲しみでいっぱいです。
被災地では、すべての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。
人は、仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると
信じています。
私たちに今できること。
それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。
がんばろう、日本!
生かされている命に感謝し、
全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います
この後、岡山県内での創志学園野球部の躍進は目覚ましく、今では岡山を引っ張る強豪校に成長しています。
そんな創志学園に藤原君が入学する2016年は、3年生に現ジャイアンツの高田投手を擁し、待望の夏甲子園大会初出場が噂されていました。
「夏にはレギュラーを獲るために、しっかり準備して入学しました。」と話されたとおり、夏の岡山大会では背番号は二桁ながら、藤原君はマスクをかぶり続けました。
2年先輩の高田君を相手に、〝普通〟ですね。気負いも気後れも見受けられません。
この時は岡山東商業との試合ですが、ちょっと好きなシーンがこちら...
藤原君のミスもあり1アウト満塁のピンチを迎え、マウンドの円陣がとけホームベースに戻ろうとしている藤原君を 3年生ファーストの藤瀬君が追いかけて行って声を掛けたところ...話した内容はわかりませんが、この表情から想像できそうですね😉
先発しましたが優勝の瞬間はベンチだった藤原君。力強く彼の肩を抱く先輩様子に、彼の貢献度がはかられます。
こうして出場した1年生夏の甲子園大会。
盛岡大附属高校との激しい点の取り合い末、敗退。
夏の初出場は果たしましたが、夏の1勝はお預けです。
新チームで迎えた秋季大会。中国大会を制し神宮大会では系列の環太平洋大学とアベック出場を果たします。
このチームのエースピッチャーは現ファイターズの難波君です。
2年生の選抜大会、2度目の甲子園では、背番号が2になりました!
ではありますが、1回戦の福岡大大濠戦では、先輩キャッチャーの小林君がスタメンマスク。打撃力を重視したかもしれません。
ちなみに小林君は、藤原君の前に正捕手でいらっしゃいました。1年前の選抜大会では正捕手として1〜2試合ともフル出場されています。2番手捕手になってから、苦手なバッティングを鍛え外野手のレギュラーになった努力の方です。
試合は6−3で福岡大大濠が勝利。
創志学園も中盤以降粘りましたが、追いつけませんでした。
藤原君、大濠高校の校歌を聞きながら、バックスクリーンを見てらっしゃるのでしょうか...
そして迎える2年生の夏。
創志学園は優勝候補の評判通り順調に勝ち上がります。
この頃のルーティン。
静かに右の掌をホームベースに合わせます。
身体もぐっと大きくなり、笑顔も多くなりました。
左手首と右上腕のテーピングが気になるところではありますが。
おかやま山陽との決勝戦は劇的でした。
7月28日、2年連続の優勝を狙う創志学園が6-1でリードの8回裏、
おかやま山陽が6点を挙げて逆転。
創志学園が9回に2点を奪って再逆転すると、その裏、おかやま山陽が同点に追いつきます。
延長戦に入り膠着状態の11回表、創志学園攻撃中に雷雨のため中断。そのまま再試合が決定となりました。
明けて7月29日。
創志学園はエースの難波君が初回から打たれ、4点を奪われます。
おかやま山陽、先発ピッチャー大江君は8回まで創志学園無安打に抑える好投。打線も緩むことなく得点を重ね、9-2。おかやま山陽が甲子園への切符をもぎとりました。
ちなみに創志学園の2点は、9回ツーアウトから、2年生金山君がはなった渾身のタイムリーによるものでした。
藤原君にとって、1年半に渡った〝先輩と目指す〟甲子園はこれで終わりです。
ここから、最上級としての1年が始まりました。
新チームで迎えた秋季大会。
体格に恵まれた選手も多く、打撃力のチームになりそうな雰囲気です。
藤原君も一回り身体が大きくなったように思います。
最上級生になり、チーム内での責任もさらに増しました。
長澤監督から野球の教授と言われるほどに野球に没頭する17歳。
ここからの1年間に並々ならぬ意気込みを持つのは当然の事です。
この大会では、チームを情熱と冷静の狭間でもがき、勉強する時間を強制的に取ることになりました。
チームも中国大会への道が潰え、長い冬を迎えることになります。
藤原君は、引っ越しをしました。
岡山市内にご実家があるため自宅生だった藤原君ですが、入寮してチームの連帯感、団結力を強固にしようと考えたそうです。
2年生でエースナンバーを背負う西君とも、更に密な関係を築く事になります。
この入寮後、彼に見られた変化とは
〜余裕〜
岡山、夏大会の初戦。先発する2年生キャッチャー横関君に寄り添い話す様子は、1つ違いの先輩というより、むしろ親父さんくらいの風格。試合中、ふわっとした2年生バッってリーに送る言葉にも愛があります。
このキャッチャーに導かれて、創志学園は夏の甲子園へ戻ってきました。
甲子園での創志学園の戦いぶりは、このブログをここまで読んでくださっているあなた様の方が、間違いなく私よりも詳しくていらっしゃいます😊
藤原君はこの春、活躍の舞台を天理大学に移します。
実はこの大学は私の出身校...頼もしい後輩が出来ました!笑
私が在学中の天理大野球部は、〝天理高校付属天理大学野球部〟なんて呼ばれていましたが、今では関西の有力校になりました。
思い入れのある選手が、こんな風に自分の出身校に進んでくれるなんて、とても嬉しくて。
どうぞ4年間、怪我なく野球に打ち込み、夢を叶えて頂きたい。
心から願い、応援しています。
今日も長くなりました。
お読みくださった方、ありがとうございました❣️